ブログ ・ 2026-06-22 ・ RankProof編集部(Kichi)
施策の効果を「前後比較」で見てはいけない理由と、差分の差分(DiD)入門
「前後比較」が間違える仕組み
例で考えます。あるページにタイトル改善をして、28日後にクリックが+25%になったとします。前後比較なら「+25%、成功」で終わりです。
ところが同じ期間に、サイト全体のクリックも+10%伸びていたらどうでしょう。季節やGoogle側の変化で、何もしていないページまで底上げされていた、ということです。すると施策の「純粋な効果」は+25%ではなく、全体の+10%を差し引いた+15%と考えるのが自然です。
逆に全体が−10%の逆風だった月に、対象ページが+5%だったなら、前後比較では「+5%、まあまあ」ですが、逆風の中でプラスにした実力はもっと大きい、と読めます。前後比較は、この「全体の波」を無視してしまうのが弱点です。
差分の差分(DiD)の考え方
DiDは、もともと医療や経済の効果検証で使われてきた、因果を見るための基本的な方法です。やっていることは1つだけです。
施策の純効果 =(対象の、施策後 − 施策前)−(対照の、施策後 − 施策前)。
SEOに当てはめると、「対象=施策したページ」「対照=サイト全体(または施策していないページ群)」。対象の変化から対照の変化を引くことで、両方に共通して効いた外部要因(季節・全体トレンド・多くのコアアップデートの影響)が相殺され、施策に固有の効果が残ります。
「たまたま」を排除する:信頼区間
もう一つ大事なのが、出た数字が偶然の範囲かどうかです。クリック数が少ないページでは、数字は日々ぶれます。たまたま良い数日が入っただけで「+15%」に見えることもあります。
ここで使うのが信頼区間です。ざっくり言えば「この効果は、偶然のブレでは説明しにくいか」を区間で示すもの。区間がゼロをまたぐなら「効いたとは言い切れない(判定保留)」、ゼロから離れていれば「効いた可能性が高い」と、誠実に線を引けます。
コアアップデートとの重なりを確認する
DiDで全体の波は引けますが、特定のページだけを狙い撃ちするコアアップデートの影響は、全体トレンドだけでは差し引けないことがあります。だから、施策の前後期間がGoogleのコアアップデート展開と重なっていないかを必ず確認します。重なっているなら、「施策のおかげ」と断定せず判定保留にするのが安全です。
コアアップデートの開始・完了はGoogleが公式に告知しています(記事末尾の出典を参照)。
Search Consoleで自分でやるなら
最低限、手作業でも近いことはできます。
- 対象ページの、施策前28日と施策後28日のクリック(または平均掲載順位)を出す
- サイト全体(または施策していないページ)の、同じ前後28日を出す
- 「対象の変化率 − 全体の変化率」を計算する。これが大まかな純効果
- 施策前後の期間がコアアップデートと重なっていないか確認する
RankProofでの位置づけ
Search Consoleのデータは2〜3日遅れて反映される点、クリックが少ないと数字がぶれる点(信頼区間)、コアアップデート期間との突合——このあたりを毎回手作業でやるのは大変です。
RankProofは、施策日を記録しておくと、前後の変化からサイト全体のトレンドを差し引き、信頼区間で「たまたま」を排除し、コアアップデート期間との重なりも見たうえで、「効いた/効いていない/判定できない」を正直に出します。効いていなければ効いていないと示します。無料枠で1サイトから試せます(クレジットカード不要・Googleログインで接続)。
よくある質問
前後比較はまったく無意味ですか?
いいえ、最初の目安にはなります。問題は、それだけで「効いた」と断定すること。全体の波を差し引いて初めて、施策の実力が見えます。
対照(コントロール)は何を使えばいいですか?
手軽なのはサイト全体です。より厳密にするなら、テーマや規模が近く、今回の施策をしていないページ群を対照にします。
どのくらい待てば判定できますか?
Googleの再評価とデータの蓄積で数日〜数週間かかります。クリックが少ないほど、ぶれが収まるまで時間が要ります。すぐに断定しないのが安全です。
コアアップデートと重なったら?
その期間は「施策のせい」と断定できません。判定保留にして、展開が落ち着いてから見直します。